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2012.10.12

豆知識/「ウエルドライン」について

今回は、時々お問い合わせを頂く現象について簡単にご説明させて頂きます。

まずは、左のフランジの写真を良くご覧下さい。
(画像をクリックすると、拡大表示できます)

ボルト穴のそばにクラック(亀裂)が入っているように見えませんか?

これはクラックではなく、「ウエルドライン」と言う現象で、射出成型品で良くあるものです。
金型の構造上、フランジのボルト穴の部分には金属の柱が立っています。
そこに流し込まれた液状の樹脂が流れていく過程で、柱に当たった時点で二手に分かれて、また合流する事になります。
合流した時には樹脂の先端部の温度が少し下がっているので、表面に微妙なしわが残ります。

これをウエルドラインと呼んでいます。

また、金型に樹脂の注入口が複数存在する場合にも、ウエルドラインが発生します。


右の写真をご確認下さい。赤いの部分にウエルドラインが確認できます。

この現象は、射出成型品の製造では避けようがない事で、どのメーカーの製品も同じようにウエルドラインが入っています。

強度上100%問題がないかと言えば若干脆弱なのは確かで、耐用年数を過ぎて樹脂部品全体が劣化しはじめた頃に問題を起こすことも、まれにあります。
いずれにしても、酸やアルカリを扱うプラント内の塩ビの配管が何十年もそのまま使える訳ではなく、ガスケットの方が先にダメになりますから、定期的かつ日常的な点検が大切です。

フランジ部からの漏れを早期発見するための部品について、過去記事の「透明フランジカバー」も併せてご覧下さい。

プラント向けのプラスチック製機材の点検はもちろん、設計/製作/メンテナンスは、私ども(株)アクシーズにご相談頂ければ、豊富な経験と専門知識でおこたえします。




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